日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-248
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一般演題 ポスター
イヌ及びサルにおける臨床検査値の基準変化値を用いた評価(SENDの活用)
*魚田 孝志保田 昂之山口 崇吉池 通晴Venkatesh KRISHNANKurien ABRAHAM
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抄録

 FDAへの申請において、非臨床試験についても電子データの提出が義務化されたことにより、各社ではSEND標準のデータセット作成が始まっている。SENDはCDISCによって定められた電子データの格納方法を示す標準であり、データセット名、変数名、利用可能なコードリスト等が規定されている。従来は、データの可視化や統計解析を実施する際、システムやツールの利用においてデータセットの仕様に応じた変数の設定等を行う必要があったが、このSEND標準のデータを用いることで、試験データの可視化や統計解析の手順を自動化することが可能になる。また、いまだ課題はあるものの『標準化されているデータである』ことから、データソースが異なっていたとしても試験データの統合が可能になり、試験を跨いだ解析等、申請以外での有効的な利用についても期待されている。

 本発表では臨床検査値を格納しているLBドメインに着目した。過去に実施された複数試験のデータを統合し、そのデータを基に生物学的変動を評価できる仕組みを構築した。具体的には個体内変動及び分析機器の変動を基にした基準変化値(Reference change value:RCV)を求め、視覚的に評価を可能とするものである。SEND標準では各動物の臨床検査値が試験ごとのデータセットで管理されることから、データハンドリングによるデータセットの統合、解析処理、データの視覚化といったプロセスを実施している。ただ、この仕組みを構築する上で課題もあった。

 検査項目によっては、性差や産地差等を考慮することも必要であるが、SEND Implementation Guideで定められている情報のみでは不十分であった。そのため、その情報を補う方法を検討し構築を行った。本発表では臨床検査値の評価プロセスを紹介し、今後の課題について言及する。

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