日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: S21-1
会議情報

シンポジウム21
S5(R3) 生殖発生毒性試験ガイドライン改定の要点
*真木 一茂
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 ICH S5ガイドラインは、雄の交配前投与期間について合意されたことを踏まえ2000年に改定され、本邦では「医薬品の生殖発生毒性試験についてのガイドラインの改正について」(平成12年12月27日付け医薬審第1834号)として通知されている。しかしながら、本通知発出から15年以上が経過し、その間の生殖発生毒性試験に関連した科学技術の進歩や安全性評価に関する多くの情報が蓄積したことから、2014年のICHミネアポリス会合及びリスボン会合において非公式の専門家作業部会が開催され、最新の生殖発生毒性試験に関する情報、胚・胎児発生に関する予備試験の利用可能性、in vitro、ex vivo、non-mammalian in vivo代替試験法に関する研究成果、他のICHガイドライン(ICH M3(R2)、S6(R1)及びS9)との整合性等が議論され、現行のICH S5ガイドラインを全改定することで合意された。本合意を踏まえ、2015年5月のICH福岡会合からICH S5(R3)の専門家作業部会によるガイドライン改定作業が開始され、2017年9月にステップ2ガイドラインが作成され、本邦では2017年9月から3ヵ月間のパブリックコメントが実施された。

 ステップ2ガイドラインでは、①ガイドラインの適用範囲、②緒言及び一般原則、③生殖毒性評価戦略、④試験系の選択、⑤用量設定、投与経路及び投与スケジュール、⑥ほ乳類を用いたin vivo試験のデザインと評価、⑦リスク評価の原則、⑧付属書(Annex)等から構成されており、2018年7月に予定されているICH神戸会合では、各極で収集したパブリックコメントをもとに議論を深め、2019年6月にStep4到達を目際している。本シンポジウムでは、ステップ2ガイドラインをもとに、生殖発生毒性試験ガイドライン改定のポイントについて紹介したい。

著者関連情報
© 2018 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top