日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: W1-1
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ワークショップ1
Introduction
白土 治己*蓜島 由二
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抄録

 現在、本邦の医療機器における生物学的安全性は、ISO10993-1、JIS T 0993-1、並びにISO10993-1をベースとした生物学的安全性評価に関する通知(「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方について」薬食機発0301第20号平成24年3月1日)の3つを基本として審査している。審査では、これらの規格の「星取表」に記載されている「考慮すべき試験」の実施結果に基づいて、医療機器の生物学的安全性の評価を行っている。また、それらの試験は、本邦の施行規則に基づき、GLP準拠下(GLP適合施設)での実施が求められている。

 今般、改定作業が進んでいるISO10993-1では、生物学的安全性評価に関する内容が大幅に変わることが明らかとなっている。これを受けて、国内ガイダンスの改定が行なわれると共に、今後の医療機器審査に大きく影響することが想定される。

 ISO10993-1の主な改訂ポイントは幾つかあるが、一連の生物学的安全性評価の流れの中に形状及び物理化学的評価が新たに組み込まれた。また、評価対象となる医療機器の意図する使用方法等から予見されるハザードを特定する一環として、化学情報の収集に加え、10993-17(曝露量評価)、10993-18(化学的特性評価)及びDTS21726(毒性学的懸念の閾値:TTC)等の関連規格に基づき、必要に応じて化学分析を使用した安全性・同等性評価を行うことが強調されている。化学分析を併用して安全性評価を行う場合、化学分析で担保できない生物学的安全性試験を適宜実施することとなる。

 本セッションでは、3名の講師から話題提供を受けた後、事前質問も含めた質疑応答を行う。また、産官学関係者全員で、これからの本邦における医療機器の生物学的安全性評価に関する考え方について総合的に討論する。

 当該セッションに関しては、事前質問を受付けており、適宜、総合討論の話題としたい。

事前質問の受付先: device-seian@pmda.go.jp

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