日本毒性学会学術年会
第46回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-110
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ポスターセッション
ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いた微小電極アレイシステムによる痙攣・てんかん評価法確立の試み(第4報)―CSAHi 神経チーム
*白川 誉史鈴木 郁郎宮本 憲優近藤 卓也佐藤 薫森村 馨半戸 里江小田原 あおい小島 敦子
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抄録

ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム(CSAHi)の神経チームでは、安全性評価のニーズが高い痙攣及びてんかんに着目し、ヒトiPS細胞由来神経細胞を用いて新たな安全性評価法の開発を目指している。その評価方法の一つとして、微小電極アレイ(micro-electrode array: MEA)システムを用いて神経細胞の発火バーストに基づく評価手法の確立を試みている。昨年の本学会では、5つの施設でヒトiPS細胞由来神経細胞(XCell Neurons、XCell Science社)を用いてMED64システムで痙攣誘発陽性物質であるGabazine(GABA-A受容体遮断薬)、Picrotoxin(GABA-A受容体遮断薬)および4-aminopyridine(K+チャネル阻害薬)を検討し、検出されたスパイクおよび発火バーストの複数のパラメータを用いた多変量解析が薬物の痙攣誘発陰性薬剤と陽性薬剤の分離に有効であることを報告した。本年は、更に施設を増やし、薬剤応答から作用機序別の分離を試みたので報告する。加えて、陰性薬剤であるDMSOとGABA-A受容体遮断薬(PicrotoxinおよびGabazine)、K+チャネル阻害薬である4-aminopryridineの3つの作用機序別の応答を主成分解析およびクラスタリング分析を行ったところ、両解析法共に作用機序別に応答が分離された。本結果は、ヒトiPS細胞由来神経細胞のin vitro MEA計測法は、薬剤の作用機序分離を可能とする評価法であることを示唆している。ただし、施設毎に多変量解析に使用するパラメータセットは異なっていた。統一プロトコールで実験を実施したが、細かな実験手技などに起因する施設間データのバラツキが原因と考えられた。

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© 2019 日本毒性学会
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