FDAは新薬承認申請(NDA)に際して2016年12月以降開始の非臨床安全性試験についてCDISC標準の電子データ(SEND)提出を義務化している。本邦においてはAMED研究班の主導でSENDデータの取り扱い等に関する方針が検討されている。このような背景から、日本製薬工業協会医薬品評価委員会 基礎研究部会「非臨床試験電子データ標準化(SEND)」検討タスクフォースでは、SEND対応状況の調査研究を実施するため、2017年7~8月にかけてSENDに関するアンケートを実施し、その集計結果を昨年の本学会で発表した(演題番号:P-91、2018年7月19日)。その後、FDAは新薬治験許可申請(IND)についても2017年12月以降開始の試験を含めて完全義務化したことを受けて、日本における各製薬企業における進捗状況を把握するため、2019年1月9日から2月4日にかけて再度アンケートを実施した。部会に加盟する59社に調査票を送付し、53社(うち内資系企業43社、外資系企業10社)から回答を得た。本発表では、本邦におけるSEND対応状況の進捗について前回の調査との比較を含めた製薬協独自の研究結果を紹介し、製薬業界における今後の課題と展望について議論を深めたい。