米国における新薬開発申請時の一部の安全性試験データについては、CDISC標準であるSENDに準拠した電子データの提出が義務化された。SENDデータの作成には、FDA発出文書(Study Data Technical Conformance Guide、Business Rules、Validator Rules等)及びこれらに引用されるCDISC発出文書(SEND Implementation Guide(SENDIG),統制用語等)を順守した品質確保が求められる。
しかし、順守すべきルールは、先述した多数の文書に、多様な形式(ルール、データ定義、文章等)にて記述されている。また、品質確保の手段として標準的に使用されているバリデータは、全てのルールをチェックできるわけではない(使用範囲外の文字コードの利用は検出しない等)。このため、ルールの全体把握やそれらに基づくチェックは難しく、各SEND担当者の知識及び技術のレベルに依存する課題である。
そこでCJUG SENDチームでは、SENDIG v3.0に従いSENDデータを作成する際に順守すべきルールを関連文書より網羅的に洗い出し、担当者のレベルに依存しないチェック項目一覧として集約した。チェック項目には、SENDデータと最終報告書との整合性や試験横断的なSENDデータの二次利用を念頭に置いたチェック項目も加え、3000以上のチェック項目を設定した。本発表では、チェック項目一覧の内容と、その利用方法について紹介する。
さらに、新たに対応が必要となったSENDIG v3.1(NDA/BLA申請は2019年3月15日以降,IND申請は2020年3月15以降に開始された試験が対象)の内容を含むチェック項目一覧や、チェック項目一覧に従ったチェックをプログラムにて実施するツールの作成も進めている。その活動成果の一部も紹介する。