2017年6月から、経済産業省による毒性関連ビッグデータを用いた人工知能による次世代型安全性予測手法開発プロジェクト(AI-SHIPSプロジェクト)がスタートした。現在、毒性発現メカニズムに基づく毒性予測システム開発に取り組んでいるが、そのために必要となる各モデル構築のためのデータの整理及び実験によるデータ取得インビトロ実験を実施している。AI-SHIPSプロジェクトにおいて開発が進められている、毒性発現メカニズムに基づく毒性予測システムの開発の背景、目的、開発システムの概要および毒性予測システムを構成する予測モデル構築の考え方について紹介する。特に、予測モデルに関しては、毒性発現に関係すると思われる実験データから得られる情報を予測モデル構築時の記述子として導入することで、毒性未知の化学品に対して予測された毒性の発現メカニズムに関する情報提供が可能となることを目指している。このほか今後のシステム開発の方向性などについて、プロジェクトリーダーとしての考え方を述べる。