日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S17-6
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シンポジウム17
小脳顆粒細胞分化の分子機構と発達期曝露による影響評価
宮下 聡*星野 幹雄
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抄録

小脳は、中枢神経系の全容積の10%ほどの小さい脳領域であるにも関わらず、その小脳を構成する顆粒細胞の数は極めて多い。その数は、マウスの場合、中枢神経系の全神経細胞数の約6割、ヒトの場合では約8割を占め、運動の制御のみならず、報酬反応といった高次機能にも関与していることが報告されている。この膨大な数の顆粒細胞は、顆粒細胞前駆細胞から生み出されるが、その発達過程では様々な細胞内・細胞外シグナル機構が働いている。また、発達期にそれらのシグナルに影響を与える薬剤に暴露されると、顆粒細胞の発生に異常をきたすことから、この顆粒細胞発達系は個体レベルでの薬剤影響の良い評価系となりうる。本発表では、最近我々が明らかにした小脳顆粒細胞発達の分子・シグナリング機構について紹介し、さらに薬剤暴露によるシグナル撹乱とその影響評価についてもディスカッションする。

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