日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S21-5
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シンポジウム21
化学物質の反復投与によるゲノムワイドなヒストン修飾の変化
*小野 竜一相﨑 健一北嶋 聡菅野 純
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抄録

我々は、網羅的な遺伝子発現ネットワーク解析に基づいて化学物質の毒性を予測および評価するために、曝露したマウスの肝等の臓器における細胞1個当たりの 平均mRNA コピー数を網羅的に測定・評価するPercellomeプロジェクトを推進している。これまでのPercellomeプロジェクトの結果より、化学物質の反復ばく露を行うことで遺伝子発現の定常状態(基線反応*)が変化する遺伝子群が存在することを明らかにした。反復ばく露影響の分子機序の解明のためには、その制御メカニズム解明が必須である(*:ばく露の都度の変化を「過渡反応」、反復曝露による定常状態の変化を「基線反応」と定義した)。

これまでの研究において、四塩化炭素、バルプロ酸ナトリウム、クロフィブレートの14日間反復投与において、Bisulfite法による網羅的DNAメチル化解析、および、H3K4me3 (活性化)、H3K27Ac (活性化)、H3K27me3 (抑制)、及びH3K9me3 (抑制)のヒストン修飾解析を網羅的に行った。その結果、DNAメチル化状態に大きな変化は起こっていないこと、及び、ヒストン修飾状態は、反復投与を行った化学物質に依存したヒストン修飾の変化、及び、バルプロ酸ナトリウム、クロフィブレートにおいては広範囲にわたるヒストン修飾変化が認められた。

これらのヒストン修飾の変化の詳細を報告する。

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