日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S22-1
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シンポジウム22
MEASURE(細胞加工製品の造腫瘍性評価に関する多施設共同研究)の概要と国際展開
*佐藤 陽治
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抄録

 細胞加工製品、特にヒト多能性幹細胞加工製品の臨床応用では、製品に混在する未分化多能性幹細胞や形質転換細胞といった造腫瘍性細胞による腫瘍形成リスクが重大な関心事となるが、細胞加工製品の造腫瘍性評価に関する国際的な標準試験法はまだ存在していない。この課題に取組むため、我が国では平成28年よりAMEDの支援の下、国立医薬品食品衛生研究所と再生医療イノベーションフォーラム多能性幹細胞安全性評価委員会(FIRM-CoNCEPT)を中心とした産業界との連携による「細胞加工製品の造腫瘍性評価に関する多施設共同研究」(MEASUREプロジェクト)が実施されてきた。MEASUREでは、造腫瘍性関連試験の現状分析結果に基づき、細胞加工製品中に混在する造腫瘍性細胞を検出する試験及び定量PCRを用いた非臨床細胞体内分布試験に関する多施設バリデーションを行った。

 また、得られた結果を国内だけでなく、海外の関係者とも共有するために、MEASUREはHealth and Environmental Sciences Institute(HESI)の細胞治療委員会(CT-TRACS)と緊密に連携し、試験法の標準化に向けた国際的コンセンサスの醸成を図ってきた。本セッションではこれらの成果について報告する。

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