日本毒性学会学術年会
第49回日本毒性学会学術年会
セッションID: S19-1
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シンポジウム19
マイクロサンプリングのトキシコキネティクス評価への応用に関するオーバービュー
*斎藤 嘉朗
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抄録

ICH S3A「トキシコキネティクス(毒性試験における全身的暴露の評価)に関するガイダンス」のマイクロサンプリングに関するQ&Aが2017年に最終化されてから5年弱が経った。本日本毒性学会学術年会においても、多くの研究成果が発表されてきている。一方で、同Q&Aは、測定系の高感度化に加え、欧州における動物愛護の動きからトピック化されたものであるため、本邦より欧州の方が取り組みの歴史が長く、既にGLP試験でマイクロサンプリング手法が採用されたケースも報告されている。

一方、日本は一歩、出遅れた感があった。そのため2017年度より、AMED研究費を得て、産学官共同で、マイクロサンプリング手法に関し、検討を要する項目の知見取得に向けた研究を行い、このたび5年間の研究を終えた。これまでに1)一般的な反復投与毒性試験を模したプロトコールに基づく、マイクロサンプリングによる毒性影響評価、2)マイクロサンプリング(採血)部位としての鎖骨下静脈と尾静脈の間での薬物動態パラメータ比較、3)2種の新規採血用デバイスの評価、4)毒性を有する被験物質3種の毒性評価におけるマイクロサンプリング影響評価、を行ってきた。いずれも一定の成果を上げている。

講演では上記、AMEDプロジェクトの成果の概観を含め、マイクロサンプリングのトキシコキネティクス評価への応用に関するオーバービューを行う予定である。

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