主催: 日本毒性学会
会議名: 第49回日本毒性学会学術年会
開催日: 2022/06/30 - 2022/07/02
非臨床のCDISC標準であるSENDに準拠して作成されたデータ(SENDデータ)は、標準形式で格納されることから、累積による利活用が期待される。実データを用いて蓄積したSENDデータの利活用の模索を行うためには、最初にデータを蓄積するデータベース(DB)を準備する必要があるが、このDBの設計のためにはデータの詳細(Domain/Variable)に関する適切な理解が重要である。しかし、特に各インターフェースに対応させるDomainセット及びこれを構成するDomain間のキーの設計検討のためには実データ解析による実態把握が必要であり、複数の作業を並行して行わなければならないというジレンマが存在する。
我々は、スポンサーからSENDデータが提出されDBに蓄積したという仮定で、その利活用を模索している。開発計画の選択肢の一つとして、データ格納・クエリ・インターフェース構築をリレーショナルデータベース(RDB)アプリケーションを用いて簡略化し、簡易的に設置したDBを作成しているところである。そして、AMED研究班活動の一環で、スポンサーよりボランティア提出されたSENDデータ(XPTファイルセット)を用いた解析の試行として、Domain間のキー検討を開始した。
現在、特定の機能に特化させず、改修を前提とした設計のDBを受皿に、SENDデータを累積し、今後の可能性及び開発方針を検討している。仮実装の段階で(1)データを継続的に累積する上で必要となる構造設置、及び、(2)異なるXPTファイルセット間での物質名等の表記揺れへの対応の、2つの必要性を認識した。本発表では、これらの点を可能な範囲で共有し、現状の進捗状況を示すとともに、今後の展開等について考察を行いたい。