日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: P3-299
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社内毒性試験データベースの構築と利活用
*牟田 恭尭堀 浩一郎田中 優香山田 直人正田 俊之
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抄録

非臨床毒性試験の結果は最終報告書としてまとめられ保存されるが,試験実施により取得したデータや所見に対する考察は社内資産であることから,研究者が自由に参照でき,簡便に利活用できることが望ましい。一方でこのような情報は各研究員に属人化する傾向があり,過去試験の情報を素早く簡便に検索することは容易ではなかった。そこで毒性試験から得られた情報の継承を目的として社内毒性試験データをデータベース化し,研究員自ら過去試験を検索できるシステムの構築に取り組んだ。毒性試験データのデータベース化により,当該試験に従事していない研究員でも自由かつ簡便に情報を取得できるようになった。またデータベースに格納された毒性所見のアノテーション情報を利用することで同様の所見を示した化合物一覧を取得できるため,in vitroin silicoの実験に用いる社内化合物セットの構築にも役立てられると考えられる。本発表では社内毒性試験データベース構築の概要を紹介するとともに,データベースに登録された過去試験を横断的に解析することで暗黙知を形式知に昇華した実例として,ラット単回投与試験の体重・摂餌量データに基づいて,反復投与に対する忍容性がどのように見積もられているかを解析した事例についても紹介する。

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