日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: S22-1
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シンポジウム22: 【日本毒性病理学会合同シンポジウム】日本毒性病理学会からのトピック:病理学的観点から見た化合物による毒性反応の種差
非臨床試験における血液毒性リスク評価方法及びヒトへの外挿性について
*後藤 浩一
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抄録

血液毒性は、医薬品の臨床使用において最も一般的な有害事象のひとつであるが、血液毒性が用量制限毒性となることもあり、医薬品候補化合物の非臨床安全性評価時に精査するべき毒性である。血液毒性は、げっ歯類及び非げっ歯類を用いたin vivo毒性試験における臨床検査で容易に検出できる。しかし、血液毒性には動物種間並びに動物及びヒトとの間に感受性差があることが知られている。また、障害を受けた造血細胞によっては末梢血での血球異常の発現時期及び程度並びにその回復性が異なると考えられるが、通常のin vivo毒性試験では、どの造血細胞が障害を受けたかを判断することは困難である。このような背景から、医薬品候補化合物の血液毒性ポテンシャルを動物種間及びヒトとの間で比較し、血液毒性のヒトへの外挿性を推測できる評価系は、ヒトにおける血液毒性リスク評価のために有用と考えられる。本講演では、げっ歯類、非げっ歯類、及びヒト由来の造血幹/前駆細胞を用いたcolony forming unit-granulocyte/macrophage又はburst forming unit-erythroidコロニーアッセイ系の実用例として、市販の低分子抗がん剤(化学療法剤及び分子標的薬)を用いて、血液毒性の動物種間及びヒトとの感受性差を比較した実例を紹介する。さらに、化合物の造血細胞分化への影響をin vitroで評価した事例も紹介する。

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© 2023 日本毒性学会
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