日本毒性学会学術年会
第51回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-310
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ジノテフランと共力剤の混合曝露によるマウスを用いた次世代行動発達毒性試験:ADI値に基づく単独及び混合投与
*田中 豊人長澤 明道鈴木 仁猪又 明子
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抄録

【目的】ネオニコチノイド系殺虫剤であるジノテフランと共力剤であるピペロニルブトキシドの混合曝露によるマウスを用いた次世代行動発達毒性試験を行い、マウスの生殖及び次世代の行動発達に及ぼす影響の有無について検討する。

【方法】ジノテフランとピペロニルブトキシドを混餌法により0%(対照群)、ジノテフラン0.012%、ピペロニルブトキシド0.012%、ジノテフランとピペロニルブトキシド各0.012%となるように調製してCD1マウスのF0世代の5週齢からF1世代の11週齢まで投与して、マウスの生殖及び次世代の行動発達に及ぼす影響について検討した。

【結果】出生時の産仔数がジノテフラン投与群とピペロニルブトキシド投与群で有意に増加し、同腹子重量はジノテフラン投与群とピペロニルブトキシド投与群及び混合投与群で有意に増加した。総性比(雄/雌)はピペロニルブトキシド投与群で有意に増加した。雄と雌の仔マウスの平均体重は授乳期間中のすべてのグループで差がなかった。F1世代の生後9週から10週での自発行動において、対照群と投与群の経時パターンは雄の平均移動時間において有意な距離を示した。 雌では120分間の平均移動時間はジノテフラン投与群で有意に短縮した。

【まとめ】ジノテフランとピペロニルブトキシドへの混合曝露に関するこれらの結果は、本研究におけるジノテフランとピペロニルブトキシドの用量レベルではマウスの生殖および神経行動パラメータにほとんど影響を及ぼさないことを示唆した。また、今回用いたピペロニルブトキシドの用量レベルではジノテフランに対して共力剤としての効果が見られなかった。

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