主催: 日本毒性学会
会議名: 第51回日本毒性学会学術年会
開催日: 2024/07/03 - 2024/07/05
実験病理学研究において、多くの解析は新鮮材料を出発点として進められる。一方、自然発生症例を対象とした病態解明研究では新鮮材料は入手困難であり、多くの場合ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料が解析に活用できる唯一の資源となる。このため、以前は症例ベースの研究において、病態解明への貢献には様々な限界が生じていた。しかしながら近年の技術革新により、プロテオーム解析をはじめ、FFPE試料から得られる情報は爆発的に増加した。症例研究において、もはや「新鮮材料が残っていないから」という言い訳は通用しづらい状況になってきている。本講演では、演者の主たる研究対象である動物アミロイドーシスについて、特に自然発症例を用いたプロテオーム解析を引き合いにし、限られた資源からいかにして病態機序に繋がる情報を引き出していくのか紹介する。