日本毒性学会学術年会
第51回日本毒性学会学術年会
セッションID: S35-2
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シンポジウム35: 先進的in vitro model を用いた初期毒性評価戦略
非臨床安全性評価におけるMicrophysiological systemの利用戦略と事例の紹介
*渡辺 雄大
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抄録

近年,FDA近代化法2.0の成立を追い風にして,三次元培養やスフェロイド,免疫細胞との共培養モデルなど,より生体に近い構造あるいは機能を再現した生体模倣モデルMicrophysiological system(MPS)の創薬研究開発への導入検討と実用化が欧米の製薬企業を中心に飛躍的に加速している。

これまでに様々な種類のMPSデバイス装置や,細胞を組み合わせたアッセイ系が開発されているが,様々なニーズや課題に対して,汎用的に利用できるものは多くない。一方で,MPSの創薬研究への利用を考えた場合,特に毒性の分野においては,動物で認められた副作用のヒト外挿性,副作用のメカニズム解明,臨床試験結果からのReverse translational研究など,いずれの場面においてもResearch Questionが突然発生し,特に初期毒性ではスピーディーな対応が求められる。

本発表では,まず初めにMPSベンダーのサービスの特徴を1)デバイス供給型,2)細胞と組み合わせたアッセイ提供型,3)受託研究型,4)共同研究開発型に分けて解説するとともに,私たち研究者が最初に取り組むべきニーズおよびContext of useの明確化の重要性について紹介する。さらに,弊社における培養操作の自動化を組み合わせた迅速なMPSアッセイ系構築の取り組みと,非臨床安全性評価におけるMPS利用の事例について紹介する。

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