富山救急医療学会
Online ISSN : 2434-8457
Print ISSN : 2185-4424
特別セッション
当院の地域連携について
島田 真理子
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2017 年 35 巻 p. 11-

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抄録

当院は平成20年に富山県で初の地域医療支援病院に認定され、地域の医療機関等と連携しながら「地域完結型」の医療を提供している。地域医療支援病院では、地域の診療所・クリニック等では対応困難な救急医療や専門的な治療、高度な検査、手術等を行い、急性期の治療後はかかりつけ医として地域の医療機関へ逆紹介を行っている。緊急に入院が必要な患者さんを受け入れるベッドを常に確保できるようベッドコントロールや退院支援も強化し、地域との連携がますます重要となっている。それぞれの医療機関が特性を活かし、役割分担しながら地域全体で患者さんを支えていく必要がある。
近年、救急搬送されてくる患者の背景として、経済的や社会的、家族関係など複合的な問題を抱えたケースが増えている。また、独居世帯や高齢者のみの世帯、近所住民と疎遠な家庭も増えており、地域とのつながりも希薄な状況に変化しつつある。入院治療が必要な場合や医療費の支払いが困難な場合など、必要に応じて医療ソーシャルワーカーが早期介入し、相談対応している。
今回、富山市民病院地域医療部において地域の医療機関から救急要請があった場合の地域連携室の受け入れ体制と、入院時や退院に向けての相談支援、地域との連携について紹介する。

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