富山救急医療学会
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Print ISSN : 2185-4424
第39回学術集会抄録集
急性期緩和医療
澁谷 忠希原 由華波多野 智哉渕上 貴正川岸 利臣小宮 良輔若杉 雅浩
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 39 巻 1 号 p. 8-

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抄録
 近年、急性期緩和医療という言葉が生まれてきた。緩和医療は担癌患者に対して行われる中長期的な医療という認識が一般的であると思われるが、救急外来や集中治療室にいる患者の中にも苦痛緩和や人生の最終段階についての話し合いが必要な患者は存在し、急性期においても緩和的な介入を行うことで患者・家族のQOLを高める事が可能である。
 しかし急性期緩和医療を行うに当たっての治療方針決定は患者と意思疎通がとれない・意思決定までの時間が限られているなど協議を困難にする状況で行われることが多い。そこでミスコミュニケーションが生まれると医療者も患者もその家族も本質的には誰も望んでいない方針になるリスクを抱えているにも関わらず、協議方法については学ぶ機会はほとんどなく不安を抱えたまま困難な状況を経験して自分なりの方法を模索していくしかない現状がある。
 今回は私が勉強したコミュニケーションスキルを紹介する。どのように話をすればミスコミュニケーションが生まれにくくなるか、協議の軸を何にすれば方針決定が円滑に行いやすくなるかといったスキルを確認し、困難な状況で協議を行う際に利用いただきたい。
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