東海公衆衛生雑誌
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高齢者における緑茶摂取と主観的な口腔健康状態との関連
‐横断研究より‐
野口 有紀藤田 美枝子種村 崇竹内 研時吉田 直樹
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2023 年 11 巻 1 号 p. 65-70

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抄録

目的 本研究の目的は,高齢者における緑茶摂取と口腔健康状態との関連を検証することである。

方法 2021年3~5月に65~89歳の高齢者1,500名を住民基本台帳より人口比に合わせ無作為抽出し,郵送法による自己記入式質問紙調査を実施した。有効回答者数は817名(54.5%)であった。欠損値を除いた695名を対象にχ2検定を実施後,主観的な口腔健康状態(よい,よくない)を目的変数,1日の緑茶摂取量を説明変数,その他の調査項目を調整変数としたロジスティック回帰分析を実施した。

結果 対象者の平均年齢は73.7±6.3歳であった。主観的な口腔健康状態のよい者59.3%,よくない者40.7%であった。1日の緑茶摂取量は3杯以下42.9%,4杯以上57.1%であった。ロジスティック回帰分析の結果,1日の緑茶摂取量が4杯以上の者に比べ3杯以下の者は,主観的な口腔健康状態がよくないオッズが1.62[95%CI:1.15-2.27]倍と,有意に高かった。

結論 高齢者において1日の緑茶摂取量が増加すると,口腔健康を良好に保つ可能性が示唆された。

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© 2023 東海公衆衛生学会
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