東海公衆衛生雑誌
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A県の訪問看護ステーションにおける新型コロナウイルス感染症の陽性者・濃厚接触者への訪問時の感染予防策の遵守状況と遵守困難の要因
多次 淳一郎脇坂 浩春名 誠美北井 真紀子
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2023 年 11 巻 1 号 p. 111-118

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抄録

目的 A県内の訪問看護ステーション(以下,ST)における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性・濃厚接触者への訪問時の感染予防策の遵守状況とそれが困難な要因を明らかにすること。

方法 A県内に所在するST 185施設に34項目からなる無記名自記式質問紙調査を実施した。郵送法とWeb法を併用し回答を収集した。調査期間は2022年4月~5月。

結果 書類未着で返戻された2施設を除く183施設のうち,72施設から回答を得た(有効回答率:39.3%)。COVID-19陽性・濃厚接触者の訪問実績があるSTは29施設であり,実績のない43施設のうち8施設は訪問要請を受けたが対応していなかった。訪問実績のある29施設のCOVID-19自宅療養者対応マニュアルに示された感染予防策23項目について,全施設が100%遵守できている項目はフェイスシールドの着用等の2項目であった。遵守率が100%と回答したSTの割合が低かった項目は,訪問中の送風,15分以内の訪問時間等の5項目であった。

結論 平時から自施設単独では対応が困難な感染対策上の課題について,地域内のステーションや他の介護サービス事業所,医療機関等が協力して取り組んでいくことが必要と考えられた。

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