東海公衆衛生雑誌
Online ISSN : 2434-0421
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住民主体の介護予防に向けた取り組み
地域課題の共有するワークショップを通じて
中村 廣隆小嶋 雅代村田 千代栄
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2016 年 4 巻 1 号 p. 55-59

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抄録

目的 高齢者の居場所や出番作りを,地域住民と共に実施することが地域包括ケアシステムの構築には必要である。そこで,住民主体の介護予防を実践するため,ボランティア向けにワークショップを開催し,今後の介護予防事業について地域特性に合わせて事業を考えること,さらに活動が異なるボランティア同士が知り合い協働してもらうことを目指した。小論の目的は,取り組み内容や工夫,その成果を紹介することである。

方法 地域の健康課題抽出は,市民6639人を対象に日常生活圏域ニーズ調査を実施した。調査結果から,地域ごとにどのような介護予防の取り組みが必要か検討してもらうワークショップを開催した。対象者はボランティア活動をしている地域住民を選定した。媒体は,数字やグラフの羅列ではなく,各種介護予防の課題を地図化したものを用いた。内容は、地域ごとの介護予防の課題を共有すること,課題解決のための実践すべきことを考えてもらった。終了後には,参加者へ自記式質問票でワークショップの感想や評価を実施した。

結果 3会場100名の参加があり,87人(87%)のアンケート回収ができた。地図化した媒体は,地域課題が把握しやすかったと肯定的な意見が得られた。また,ワークショップを実施したことによって,地域のボランティアが,自分の住んでいる地域の課題を知ることで,その課題に対して,自分たちが何を実施できるのか,どうすると良いのかアイデアが出し合えるなど,住民主体の介護予防事業に向けて一歩が踏み出せた。

結語 住民と地域課題を共有するワークショップを開催した。今回の取り組みで有用だった点は,データを地図化したこと,生活圏域を小学校区に設定したことである。また,ワークショップを取り組んだ結果,ボランティア同士の連携,住民主体の活動の一助を図ることができた。

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© 2016 東海公衆衛生学会
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