2016 年 4 巻 1 号 p. 60-64
目的 予防接種制度や子育て支援の推進に資するため,県内市町村の予防接種台帳で把握している項目と利用状況を調査した。
方法 2014年5月に愛知県内の全54自治体を対象とした自記式質問紙調査を行い,49自治体(政令指定都市:1,中核市・特例市:3,その他の市:30,町村:15)から回答を得た。主な解析項目は,予防接種台帳の整備状況,把握項目,活用状況,転入児の接種履歴の把握状況である。
結果 すべての自治体が,電子媒体で被接種者の予防接種履歴を把握していた。85%以上の自治体が,予防接種台帳で接種日,接種施設,被接種者の月齢を把握していた。49自治体のうち,2自治体(4.1%(その他の市:1,町村:1))は副反応の発生を把握していた。一方,12自治体(24.5%(中核市:2,その他の市:7,町村:3))は,接種したワクチンのロット番号を把握していなかった。18自治体(36.7%(中核市・特例市:2,その他の市:12,町村:4))が,予防接種台帳と乳幼児健康診査の受診記録を連動させるシステムを構築していた。44自治体(89.8%(中核市・特例市:3,その他の市:28,町村:13))が予防接種台帳を未接種者の接種勧奨に利用しており,9自治体(18.4%(その他の市:8,町村:1))が支援を要する児等の把握に活用していた。2自治体(4.1%(その他の市:1,町村:1))は,転入児の接種履歴を把握していなかった。接種履歴を把握している自治体の人口学的規模(総人口・年間出生数・転入者数の中央値で二分)で比較すると,予防接種歴を把握している転入児の範囲に統計学的な有意差は認められなかった。
結論 予防接種台帳の項目では,予防接種を事業として管理するために必要な項目の把握率は高値であったが,副反応の把握率は低値であった。活用状況については,接種勧奨の利用率は高値であったが,要支援者等の把握に活用している自治体は少なかった。