1998 年 1 巻 2 号 p. 002-011
本研究では,高速道路上の幹線トラック物流を代替する自動貨物輸送システムを計画し,その実現可能性と効果を検討する.第二東名・名神高速道路にこのシステムを導入することを想定し,輸送システムの概念的設計を行い,事業費,運営費の見積もりを行った.また,システムの利用による輸送業者の利用者便益,環境負荷の低減と交通事故の被害削減による国民経済的便益を計算し,計画の事業性ともたらされる効果を定量的に評価した.想定している輸送システムは,トラックによる幹線輸送に近い利便性を有しつつ,輸送コストを低減し,また大型車のもたらす不便益を大幅に低減させうる,実現性の高いものであるという結論が得られた.