2009 年 11 巻 4 号 p. 030-036
観光立国推進基本法の施行,観光庁の新設,さらには,訪日外国人観光旅行者および高齢観光旅行者の増加等,近年,観光を取り巻く環境は著しく変化しており,今まさに観光が着目されている.しかしながら,入込客数等の基本的な統計データですら統一した方法で整備されていないことから,観光動向の時系列変化を定量的に分析することやその結果に基づいた議論が十分にできていない.本研究は,観光地の入込客数に焦点をあて,その時系列変化に関する基礎的な分析を行ったものである.1985年からの約20年間の時系列変化を全国の観光地を対象として網羅的に行っていることが本研究の特徴である.本稿では,入込客数の時系列変化と観光地の種類,規模,位置等の関係を整理し,さらには観光地の種類と時系列変化の関係を明示した.