2010 年 13 巻 1 号 p. 002-013
通常,我が国の都市間優等列車では指定席と自由席の2種類の座席が供給されているが,座席種別(席種)毎の供給量や料金は固定的であり,指定席の予約は First Come First Served ルールに基づいているため,未利用座席の発生等により座席利用率が低下している.そこで本研究では,幹線鉄道旅客のトリップデータから構築した離散型の席種選択モデルを需要予測モデルとした席種設定シミュレーションシステムを開発し,フレキシブルな席種設定施策の効果分析を行なった.その結果,①既存インフラの高効率利用,②利用者の利便性の向上,③鉄道事業者の収益性の確保,以上の観点から効果的な施策である可能性が示された.