通常,我が国の都市間優等列車では指定席と自由席の2種類の座席が供給されているが,座席種別(席種)毎の供給量や料金は固定的であり,指定席の予約は First Come First Served ルールに基づいているため,未利用座席の発生等により座席利用率が低下している.そこで本研究では,幹線鉄道旅客のトリップデータから構築した離散型の席種選択モデルを需要予測モデルとした席種設定シミュレーションシステムを開発し,フレキシブルな席種設定施策の効果分析を行なった.その結果,①既存インフラの高効率利用,②利用者の利便性の向上,③鉄道事業者の収益性の確保,以上の観点から効果的な施策である可能性が示された.
本稿では,航空機の残存率曲線を用いて今後の退役機の動向,特に騒音や温室効果ガスの排出に対する規制が機材保有に与える影響と,退役機から発生する複合材料の増加について考察した.国際化による輸送需要の増加,環境面からの規制の強化,レアメタルの確保,複合材料のリサイクルの必要性を受け,増加する退役機のリサイクルに関して組織化・効率化を目指す動きが生じている.我が国の航空機部品メーカーは多面的に生産段階で大きな役割を果たしているが,日本企業のこれらの組織への参画はない.今後の動向を考えると退役機の処理への参画が期待される.