2003年1月の「観光立国宣言」以降,訪日外客を増加させるために,様々な施策が強化されている.交通の分野においても,外国人観光客の旅行を円滑化するために,公共交通機関における外国語等による情報提供の充実が制度化されている.しかし,交通分野で,情報提供以外にも,訪日外客のニーズに対応するために実施することが望ましい事項が従来から提起されている.そこで,訪日外客の選好を把握し,この点についての検討を深めるための一環として,成田空港で実施したアンケート調査の結果に基づき,ジャパンレールパスによるのぞみ号利用への支払意志額を推計するとともに,東京圏フリーパスに対する選好の優先順位を把握するための定量分析を行った.