2社の鉄道企業がそれぞれの所有する鉄道路線を相互に他社に利用させる場合のラムゼイ運賃について分析を行った.2社全体の収支均衡を求めるプール制共通運賃,個々の企業の採算を確保する個別採算制共通運賃,個々に収支均衡できる運賃を求めた後にそれらを合算する併算運賃,合併して1社で提供する運賃について,ラムゼイ運賃の観点から比較検討を行った.数値例によるシミュレーションも合わせた結果,共通運賃には通常のラムゼイ・ルールが適用できること,共通運賃よりも併算運賃の方が価格が高く,資源配分を歪める傾向があること,個々の単独路線のラムゼイ・ルールには変更が不要であることなどが分かった.