2011 年 14 巻 1 号 p. 002-016
近年,欧米諸国では気候変動問題に対応するため,交通計画体系の改善や気候変動の考慮を強化している.本研究では,英国と米国カリフォルニア州の交通計画体系における都市間交通の位置付けと,その中で気候変動への影響がどのように考慮されているかを把握した上で,都市間交通と気候変動の考慮の面から,今後の交通計画制度のあり方について考察を行った結果,1)複数の交通モードを統合した広域交通ネットワークの方針や計画の策定,2)法的な要求に基づく上位計画における気候変動への言及,3)環境影響評価手続きにおける気候変動考慮の義務化,4)分野間,地域間の責任や負担の分担の明確化等が必要であると示唆を得た.