運輸政策研究
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報告論文
重量貨物車の道路利用課金に関するユーロビニエット指令の動向と我が国への示唆
西川 了一昆 信明
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2011 年 14 巻 1 号 p. 024-034

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抄録

EUの成立により,国境を越えて通行する重量貨物車が増加し,通過国で燃料を購入しないことによる道路の整備費用負担の不公平が発生した.この問題に対処するため,EUは1999年に重量貨物車に課金する場合の基準(ユーロビニエット指令)を制定した.2006年から持続可能性の観点から外部費用に対して課金することが検討されていたが,2010年10月のEU閣僚理事会で,異論が大きかった混雑課金を除外し,騒音と大気汚染の費用をインフラ費用に加えて課金するという政治的な合意が成立した.この課金の考え方,水準,課金項目などから,現在再検討が必要な我が国の高速道路料金への示唆を得た.

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© 2011 一般財団法人運輸総合研究所
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