2011 年 14 巻 2 号 p. 002-013
近年,世界のクルーズ人口は順調に増加しており,今後の団塊世代の大量退職に伴うマーケットの拡大や,運航頻度は低いものの,入港時の経済効果やブランド的価値は,地域経済の活性化策としても注目されている.本研究では,クルーズ客船寄港地の魅力度を定量的に評価することを目標として,旅客に対して実施したアンケート結果をもとに,クルーズ経験回数の違いによる旅客の嗜好を整理するとともに,階層分析法(AHP)による寄港地の魅力度の評価を行った.また,AHP の結果を利用し,より簡便に魅力度評価を行う方法を提案し,これに基づき国内外の港湾を対象として魅力度ランキングの作成を試みた.