2013 年 15 巻 4 号 p. 011-018
本稿は,2006年から2009年までの米国航空産業のデータ(サンプル数18,779)を用いて,2008年に行われたデルタ航空とノースウエスト航空の合併が航空会社の運賃に及ぼす影響について分析するものである.分析手法として,需要関数と疑似供給関数の同時推定を行っている.分析の結果,デルタ航空もしくはノースウエスト航空の運航しているいくつかの路線において航空会社の運賃は合併により低水準になることを示した.この結果はLCCからの競争圧力により生じた可能性がある.