2013 年 16 巻 1 号 p. 059-067
東日本大震災では,被災地の人的資源の不足や通信手段の途絶により被災地の救援物資のニーズ情報が被災地外の物資提供者へ正しく伝わらなかった.そのため,被災地のニーズと被災地に送られる救援物資の間に不一致が生まれ,必要な物資が届かなかったことに加えて,被災自治体において不要な物資の仕分け,保管作業が必要になるという問題が発生した.本研究では避難所から出された救援物資の要望書を用い,救援物資ニーズの時間的変化を分析する.その結果を物資間の前後関係を反映する物資リストにまとめて,次回以降の震災時における物資提供者の物資発送の決定に活かすことを目的とする.