2016 年 19 巻 3 号 p. 002-013
国内外のコンテナ・ターミナルにおいて陸側のゲート混雑が大きな課題になっている.この緩和のためのアクセス交通ネットワークの増強は,巨額の投資と長期間を要する.このため,各ターミナルでは即効性のある混雑対策として,ピーク時に集中するトレーラー交通量の制御に取り組みつつあるが,混雑対策を効果的に運用する仕組みは確立されていない.本稿では,国内外の事前予約制やゲート運営時間拡大などのゲート混雑対策の事例を整理した.また,我が国と米国,豪州のゲート混雑対策の運用事例を,社会的ジレンマの解決方法を基に分析し,トレーラー運転手の行動変容を促すことが,これらの混雑対策を効果的に運用する重要な要素であることを指摘した.