2021 年 23 巻 p. 48-55
2019年4月23日,アメリカ航空局(FAA: Federal Aviation Administration)は,ドローン(UAS: Unmanned Aerial Systems)による宅配サービスを行うのに必要な航空運送事業認定を,Googleの親会社Alphabet傘下のWing Aviation(Wing)に与えたと発表した.この航空運送事業認定は,米国連邦航空規則(FAR: Federal Aviation Regulations)Part135を満たしたオペレーターとしてPart119の下で発行されたものだ.取得にあたり,Wingは一部の規則の適用除外を求め2018年8月より正式にFAAと協議を進めてきた.FAAにより公開された複数の文章や,FAA主催のシンポジウム等をもとに,我が国での本格的なUAS社会実装へのヒントを期待して,FAAとWingの協議の様子,特に許容しうるUAS運用のリスク・目視外飛行・シングルパイロット複数機運用等についての議論を追ってみる.