2025 年 27 巻 論文ID: TPSR_27R_2
並行する鉄道とバスの連携には,比較的少ない費用で利便性を改善できる効果がある一方で,不採算路線を黒字化するほどの増収は期待できないことから,路線自体の存廃議論は引き続き必要となり,また恒常的な取組みとするには,利害の異なる関係主体間の合意が必要という課題がある.他地域での連携を推進するには,特定の主体に金銭的負担が偏らない仕組みにすることが望ましいが,乗車実績に基づかない収入の分配には煩雑な手続きを経て共同経営の認可を得る必要があるため,手続きの負担を軽減するような制度及び運用にすることが求められる.長期的には,交通機関(モード)を跨いだ公共交通への補助制度の構築も必要であることが示唆される.