2025 年 27 巻 論文ID: TPSR_27R_1
国際航空貨物輸送手続では紙が多用されている.本稿では,同手続のデジタル化推進を目的に,手続の実態とデジタル化の取組状況を俯瞰的に分析し,課題を明らかにする.空港貨物地区の現地調査等の結果,デジタル化推進が望ましい手続として,航空機で送付される貨物書類封筒/上屋とトラックの間で貨物受渡に用いる書類/爆発物検査書類/ULDと積付貨物との管理番号の紐づけ/上屋におけるトラックの貨物搬出入受付を抽出し,現状の運用等を分析した.その上で,課題として,既存の情報プラットフォームの限定的な活用,様式の不統一,異なる技術規格の適用,国内の業界横断的なデジタル化推進主体の不在等を示し,課題解決に向けた検討を行った.