2001 年 3 巻 4 号 p. 021-030
社会資本形成に対する評価については様々な議論がある.また,一方で各プロジェクトに対する費用効果分析手法を始めとして多くの評価手法の開発が進められており,多様な評価の要請に対して大きく寄与している.また,これらの手法は近年においてさらに改良が進められている.しかしながら,特定部門の社会資本について,その資本形成による有効性等の特性を地域的に相対比較評価しようとした場合,そのための具体的な手段は明確ではない.
本研究では,物流という視点に特化して運輸社会資本形成における地域間の特性について相対的比較評価を試みた.具体的には,道路,港湾,航空部門を対象として,それぞれの物流特性を代表する指標との関連性を都道府県別に相対的比較評価に活用する新たな手法を検討した.この結果,特性を2元的に評価することで都道府県別の特性比較の明確化及びその手法の発展の可能性が確認された.