2001 年 4 巻 2 号 p. 002-009
本研究の目的は,鉄道輸送サービス改善プロジェクトの多面的な評価方法の提案である.従来の評価方法では,単位量により測定可能な効果を用いた社会経済的分析のみが取り扱われている.しかし,実際のプロジェクトには,単位量で測定できない効果があり,これらを網羅する必要がある.それとともに,サービス改善が利用者ニーズの具現化であることから,そのギャップの測定によるニーズの把握も重要な評価と考えられる.そこで本研究は,これらを考慮した多面的な評価方法として,利用者への意識調査(CVMとCS調査)を適用することを提案する.本文では,意識調査における課題を整理しつつ,提案する評価方法の実用可能性を確認する.