本論文では日本全国レベルにおける自動車交通の外部費用を定量的に推計する.本論文における推計の対象は,大気汚染,気候変動,騒音,事故の外部費用,インフラ費用の過少負担,混雑損失である.推計の手法は原則として欧米において標準的に用いられている手法に準ずる.推計された外部費用を乗用車,バス,大型トラック,小型トラックの4車種に配賦し,走行距離当たり費用,人キロ当たり費用,トンキロ当たり費用を算出する.外部費用は上記6項目合計で32兆4,505億円(19兆7,455億~60兆3,689億円),GDPの6.6%(4.0~12.3%)となり,この値は欧米における推計結果に近い数値となった.
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