1997 年 1 巻 p. 31-34
カラマツ(Larix kaempferi (Lamb.) Carr.)の幹心腐病菌2種,チウロコタケモドキ(Stereum sanguinolentum (Alb. & Schw.: Fr.) Fr.)2菌株とカラマツカタワタケ(Phellinus chrysoloma (Fr.) Donk)2菌株をカラマツ材ブロック及びカラマツ生立木に接種した.木材ブロックへの接種では,両菌ともブロックの重量減少率は低く,特にチウロコタケモドキでは少なく平均2.9%であった.立木への接種ではチウロコタケモドキは両菌株とも接種に成功し,腐朽の進展速度は接種3年目の調査で891 cm^3/年となった.カラマツカタワタケでは腐朽の進展は認められず,病原菌も再分離されなかった.