樹木医学研究
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論文
イチジク品種 ‘桝井ドーフィン’ と ‘サマーレッド’ におけるアザミウマ類による果実の被害状況と果実特性の関係性
堀川 英則杉原 巧祐中根 基貴中村 遼太朗石川 博司上林 義幸松崎 聖史
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2023 年 27 巻 1 号 p. 23-32

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抄録

イチジク品種 ‘桝井ドーフィン’ と ‘サマーレッド’ におけるアザミウマ類による果実被害の発生状況と果実の形態について調査した.2018年から2021年までの収穫期(8~10月)および収穫期前未熟果(6~7月)におけるアザミウマ類による被害の割合は, ‘サマーレッド’が ‘桝井ドーフィン’ よりも少なかった.また,収穫期前の未熟果において, ‘桝井ドーフィン’ は ‘サマーレッド’ よりも果実内部に空洞を有する果実の割合が多い傾向であった.果頂部(ハト目)の開口の有無を目的変数に空洞径を説明変数としたロジスティック回帰分析の結果,両品種とも果実内部の空洞径の大きさが果頂部の開口率に有意に影響していた.そして,収穫期前の未熟果におけるアザミウマ類の被害について,決定木による機械学習的分類を行ったところ,新梢の下から7から9段目にかけて着果した果実において,内部に空洞を有する,あるいは果頂部が開口している場合,被害を受けやすいことがわかった.

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© 2023 樹木医学会
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