抄録
宮崎県内の2林分でスギ造林木の梢端部分が枯死する被害が発生した.被害木を調査した結果,暗色枝枯病であることが明らかになったが,一般的な枝枯れ症状を起こすものと異なり,今回の被害では樹冠内部の一次枝の枯れを起こすことなく,梢端部のみに枯死が見られた.2ケ所の被害林分の地形は凸型と凹型で異なっていたが,ともに傾斜の変換点上にあり,また,長期間雨が少ない状態が続いたところであった.このような環境要因は,枝枯れ型の暗色枝枯病が発生するところでも見られるものであり,どのような環境条件の違いが枝枯れ型と梢端枯れ型の違いをもたらしたのかは明らかにできなかった.