抄録
本実験は担子菌の芝草への接種方法の検討と担子菌と芝草の生育との相関関係について調査した。
i) 本実験に供試した担子菌はムラサキシメジ属の菌であると考えられた。
ii) 芝草への接種は病原土を芝草の下に敷く方法で行なった。病原土とは砂とバーク堆肥を混合したものに担子菌を接種し, 25℃約2週間培養したもののことである。この場合, 接種後の培養温度が非常に重要で, 25℃, 2週間培養すると芝草の生育が抑制され枯死したが15℃の場合は芝草に異常は見られなかった。
iii) 芝草茎葉部への接種では菌糸の拡がりは見られるものの芝草に異常は見られなかったが, 芝草根部への接種では芝草茎葉部の枯死と根部の黄変, 枯死が見られた。これらのことより担子菌の与える影響は芝草根部へのものであると考えられた。