芝草研究
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除草剤Chlornitrofen (MO) の芝生地における除草作用特性
竹松 哲夫近内 誠登竹内 安智
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1984 年 13 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

1.殺草スペクトル
雑草発生前の土壌処理ではChlornitrofenは250g (10a) でイネ科雑草のメヒシバ, スズメノカタビラに卓効があったが, ある種の広葉雑草には効きにくかった。しかし, 500g (10a) ではほとんどの雑草に効果があった。雑草発生後の茎葉兼土壌処理ではイネ科雑草には効きにくかったが, 広葉雑草にはやや効果が大きかった。
2.他剤との共力効果
Chlornitrofen 125~250g (10a) とAtrazine, またはSimazineを30g (10a) 組合せると雑草発生前の土壌処理でも, 雑草発生後幼植物期の茎葉兼土壌処理でも共力効果がみられ, ほとんどの雑草に卓効があった。
3.土質と除草効果
Chlornitrofenのメヒシバとスズメノカタビラに対する土壌処理による除草効果は土壌の種類が違っても大きく変動しなかった。しかし, 土壌表層にサッチが存在するとメヒシバに対する除草効果は低下した。
4.芝草に対する薬害
芝草の根部を通じても, また茎葉を通じてもChlornitrofenの薬害は全くなく, 高温時処理でも芽立ち直前の処理でも薬害がなかった。
5.圃場試験
Chlornitrofenは1年生イネ科雑草には大きな効果を示したが, 広葉雑草にはやや劣った。しかし, ChlornitrofenにSimazine, またはAtrazineを1/10位加用すると1年生イネ科および広葉雑草に大きな防除効果がみられた。
サッチの少ないところでは250~500g (10a) と, サッチの多いところでは500~750g (10a) とSimazineまたはAtrazineと混合して使用すると安定した効果が得られる。

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