芝草研究
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遮光が芝草類の初期生育に及ぼす影響
広田 秀憲塩沢 克之
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1984 年 13 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
芝草の初期生育における耐陰性の強弱とその機作を知るために寒冷紗を用いた人工的な庇陰環境 (60%遮光, 80%遮光) のもとでポット試験によって幼植物を栽培した。
供試草種はすべて市販種で, ケンタッキープルーグラス (KB) , レッドトップ (RT) , リードカナリーグラス (RCG) , バビアグラス (BaG) , バーミュダグラス (BeG) の5種である。
遮光すると草丈は伸長するが, 葉数, 茎数, ほふく茎数, 根数, 根長, 葉面積, 乾物生産などはいずれも著しく低下した。
初期生育における耐陰性はRCGとRTはやや高く, KBとBaは低かった。BeGは60%遮光ではRCGと同等の生育を示したが80%遮光では5草種中最も生育が劣った。
芝草類は直立型の牧草類に比べて光が不足すると, 地上部, 地下部ともに生育が著しく抑制される。これらの草種を成植物群落の中へ追播する場合には, 光環境の改善のために頻繁な刈取が必要であろうと示唆した。
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© 日本芝草学会
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