1984 年 13 巻 2 号 p. 175-180
1983年わが国の19か所のゴルフ場を任意に選び, マメコガネの発生消長を誘引トラップを用いて調べた。その結果, マメコガネの多発地域は東北, 信州, 東海地方に多く集中し, 中国, 四国, 九州地方ではその発生量はきわめて少なかった。次に発生時期と気温の関係について調査したところ, 発生初期, 発生最盛期では, 緯度による発生時期は異なるが, 平均気温とかなり密接な関係がみられることが示唆された。さらに, この誘引トラップはマメコガネの発生予察や防除試験の判定に十分利用することができた。また, 1トラップ。に1シーズンで3000~10000頭近く捕獲できることから, 農薬散布とトラップ数を増やすことにより, 相当の防除効果が期待されるだろう。