抄録
1.砂の割合を異にして透水性の異なるベントグリーンでの施肥法を確立するため緩効性肥料を主体とした約30gN/m2年の施肥設計により昭和59年および60年の2ケ年にわたり静岡県東部の富士小山ゴルフクラブのグリーン芝を供試して芝の品質の指標として芝中の全窒素含量の推移を経時的に測定した結果2年間の全体 (n=87) でT-N5.96%, 標準偏差0.517, 変動係数8.7が得られ, 透水性の異なるグリーンでも窒素含有量のほぼ同一で変動巾の比較的少さい芝を生育させることができた。
2.砂の割合が大きく透水速度300~700mm/hrの床土でも塩基置換容量の大きい土壌改良資材の添加と緩効性肥料主体の施肥法により窒素含有量の高い芝を維持することができた。
3.芝中窒素濃度の測定はグリーン芝の栽培管理に一つの客観的な指標を与え, 有力な武器になることが確認できた。