芝草研究
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コウライシバ (Zoysia matrella) とベントグラス (Agrostis stronifera L. cv. Pencross) の生育に対するコリン類の促進効果
竹内 安智小笠原 勝金 錫井近内 誠登竹松 哲夫鈴木 昭憲玄 丞培蔡 晃植古島 昌和
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1990 年 19 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

1. 土壌またはバーミキュライトで育成したコウライシバとベントグラスにたいしてコリン類 (塩化コリン30%液剤あるいは硝酸コリン29%液剤) の1, 000ppm300倍) , または500ppm (600倍希釈) 液を1回, または2回施用した場合の芝草の生育にたいする促進効果を調べた。
塩化コリンと硝酸コリンはコウライシバの生育を促進したが, その効果は後者で若干, 大きかった。塩化コリンの促進効果は野外芝生地から春に採取したソッドにたいしても, 秋に採取したソッドにたいしても認められた。塩化コリンはベントグラスの生育も促進した。塩化コリンのコウライシバにたいする促進効果は土壌で育成した場合も, バーミキュライトで育成した場合にも認められた。
コリン類はコウライシバとベントグラスにたいして, 処理30~35日後, または41日後に根部乾物重量を70~100%増加させ, 地上部の草丈・乾物重量を5~20%増加させた。
2. コウライシバの光合成と呼吸にたいする塩化コリンの作用を調べた。塩化コリンの1, 000ppm液の土壌潅注処理の1~2週間後に, 光合成量は無処理区の300~400%増加したが, 呼吸 (地上部, 地下部) については無処理区と大差がないが, むしろやや阻害された。

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